8月4日:masterclass (今年の最終回!)

今日はこの夏最後のclarinet masterclass。
地元のの大きいfestivalと重なっていて、朝からローカルのニュースで高速道路の渋滞が予想されると言っていたので、午後1時開始のmasterclassのために午前11時半には家を出て渋滞に巻き込まれたとしてもいい席が取れるように頑張りました。
その甲斐あって前から2列目のいい席を確保しましたよ。

今日の演奏は:
1. "Mozart: Concerto in A major, K.622" より第2楽章 (Cl. Arriana)
Richie先生によるとAriannaは何やら新しい楽器を買ったとか…それは今日吹いていたA管のことなのかは不明ですが、これまでの伸びやかな音とはちょっと違っていて音が硬かったなぁという印象。この楽章は柔らかく天使が羽ばたいているかのように吹いてほしいのに(私はそう思っています)、息が入らないのかフレージングが短いのと、registerごとに音色というか音質が違ってしまって、一貫性のない演奏に聴こえました。もちろん指回しとか基本的なことは全部申し分ないんですけど、何か流れていく感じがなかったなぁ…と。Ariannaはもっとテンポが速くて動きがある曲の方が向いているのかもしれません。

2. "Brahms: Clarinet quintet in B minor, Op.115"より第1楽章 (Cl. Ryan)
Ryanのテンポ感と弦のテンポ感がところどころ噛み合わず、Ryanが置いていかれそうになっていたのは気の毒でした。やっぱりアンサンブルは難しいね〜。それぞれの奏者がすごく演奏技術の高い人でも、お互いに合わせていくのは別の問題ですからね〜。この曲はクラリネット奏者にも弦楽器奏者にも豊かな表現が要求される素晴らしい曲なので、私もいつか演奏してみたいです。(…と思って地道に練習しているんですけどね〜)

3. "Yuste: Estude Melodico" (Cl. Fatima)
スペインの作曲家の作品です。この人自身がクラリネット奏者でもあるとか…。Fatimaの演奏には人を惹きつける力があります。演奏しながらのピアノへのcueの出し方もcueを出している風では全くないのに彼女が何を求めているのかがわかる。すごく自然な素晴らしい演奏でした。Fatimaの曲への思い入れが強いからそれが曲に投影されるのかもしれません。将来の活躍が楽しみです。

4. "Weber: Concerto No.2 in E-flat major, Op.74" (Cl. Jack)
有名な曲なんですが、私はWeberが特に好きではないので(どちらかというと好きではないので)、この選曲を見た時にはちょっとがっかりしました。でも、Jackの演奏はそつがなく、とてもよかったです。でも、何か小さい感じ…技術的には何も問題がない演奏なんですが、もう一度聞きたいと思わせるものがない感じ。何度かmasterclassでの演奏を聞いて思うのは、Jackの演奏はきれいにまとまりすぎていて何か突き抜けて心をざわつかせるものがないのです。それが残念…。

…ということで今年の夏のmasterclassは終わってしまいました。
過去4年聞いて来て、段々小粒な感じになっている気がします。2014年に行き始めた頃には荒削りでももっと聞きたい、また聞きたいと思わせる演奏があったのになぁ。
来年はどんなfellowが来るのかな…楽しみです。

これを持って私の夏休みも終わったような錯覚を感じましたが、まだ1カ月半残っています。自分も練習を頑張ろうっと。
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7月28日:masterclass (その4、本当は7回目)

今年はmasterclassの5回分のパスを買った都合で、ところどころしかmasterclassの聴講に行っていません。
今回は最後から2番目、来週は最終回ということでこの2回は絶対に聞き逃せません。

今日の曲目は:
1. "Brahms: Clarinet Sonata No.2 Op.120"より第3楽章 (Cl. Jack)
Jackの演奏はそこそこ上手でしたが、ピアノとの絡みがイマイチ。いちいち体でcueを出すのではなくて、ちゃんとスコアを見てどこがどう絡んでいるのかを研究するようにというアドバイスがありました。アルペジオっぽい動きが終わった後のところ、一音一音をもっと豊かに鳴らすことを意識して一番下の音もしっかり響かせること。この曲は自分でも練習している曲ですが、第3楽章の終わりの部分は今一つ感じがつかみにくいところだったので、とても勉強になりました。

2. "Piazzolla: Tango Etude No.3" (Cl. Fatima)
これはもう圧倒される感じ。ラテンの曲がスペイン出身のFatimaに合っているせいもあってリサイタルでも聞いているかのような満足感でした。「決してピアノよりも前に行かない、でも、ピアノはそれに引きずられて重くならない。5つの音を重く」…って言っても曲を聞かないと何のことかわかりませんよね。Nuevo Tangoというジャンルだそうです。
この曲は楽譜が見てみたいなぁと思ったので、図書館をチェック。残念ながら職場の図書館にはなかったのでリクエストを出しました。タイトルを見ると日本で出版されてるみたいです。オンラインの楽譜屋さんのサイトでは割と低めのグレード用の曲としてリストされていました。(このグレードっていうのが曲者。譜面ヅラの難しさでランク付けされているとしか思えない…例えばBrahmsは演奏の技巧はそんなに難しくなくても表現力がないBrahmsの演奏は聞くに堪えないのにね〜。なんか変なの〜。)Tango Etude、6曲入り(数が多ければお買い得ってわけではないんですが…)、買っちゃおうかなぁ。

3. "Muczynski: Time Pieces Op.43"より3番 (Cl. Arianna)
去年練習した曲です。3番は一番とっつきやすくまとめやすい曲だという印象です。Richie先生は「この曲は楽しい曲なのか悲しい曲なのか、まずそれを考えること。そこからもっと深いemotionを考えること。きれいに吹かない。印象に残る、自分を表現する吹き方をしなさい」とおっしゃいました。なるほどね〜。

4. "Copland: Concerto" よりCadenza (Cl. Arianna)
カデンツァの最初のところ、「夢を見ているかのように」という指示があるそうです。(楽譜を持っているのにそんな記憶がない…)その吹き方をRichie先生が実演してくださった時には、ほぉ〜と思いましたが、それを言葉では表現できません。

5. "Brahms: Clarinet Quintet Op.115"より第1楽章 (Cl. Ryan)
弦楽器の人も参加して第1楽章の途中から(途中までは先週のmasterclassで演奏したらしい)。Ryanの演奏はよかったですが、弦楽器のテンポ感がちょっと違う感じ。最終的には揃いましたけどね。クラリネットが旋律で入っていくところは、はっきりと何が言っているのか分かるように入ること。

来週のmasterclassでは今まで取り上げてきた曲の中から一人一曲ずつノンストップで通して演奏してくれます。楽しみ〜!!
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7月14日:masterclass (その3、本当は5回目)

今日の午後はmasterclassに行ってきました。
今日はソロの曲を中心とした室内楽の曲の演奏で、自分が以前練習した曲、今練習している曲があってとても勉強になりました。

1. "Bruch: eight Pieces for Clarinet , Viola, and Piano, Op.83)"より (Cl. Fatima)
ECMで現代曲を始める前に、日本にいるビオラ奏者の友人との合奏を目指して楽譜を買って練習していた曲です。いつか演奏するぞ!
Richie先生からの指摘は:
violaとclarinetはほぼ同じregisterの楽器なので合わせることばかり意識せずに自分を主張すること。最後の長調になるところは悲しい雰囲気をひきずらないで、フレーズごとに音は上向きな明るさを持つ音で。
クレッシェンドがあるところはその前で十分に落としてから大きくすることで、もっと音楽の表現が深まる。

2. "Krzysztof Penderecki: Prelude" (Cl. Arianna)
この作曲家の作品を聴いたのは初めてでした。3分ほどの小品の中に静も動も、低音域も高音域も全ての要素を含んでいるような魅力的な曲でした。あ〜、これ演奏してみたいなぁと思って聞いていました。
Richie先生はこの曲を使って、Ariannaに面白い実験をさせました。最初は座奏で何小節か吹き、吹きながらゆっくりと立ち上がって立奏で続きを吹く。または、座奏で吹いたのと同じフレーズを立奏でも吹く。立奏の方が音の響きはよくなりますが、吹いているにつれて口を締めてしまって、高音域や跳躍の時のアンブシュアのコントロールが難しくなるので、日頃の練習でも座奏と立奏を両方取り入れて、自分のアンブシュアがどのように変わっていくかを観察することが大事だと言っていました。Richie先生は今でもそのように練習して本番に備えているそうです。

3. "Bernstein: Sonata"より (Cl. Ryan)
今まさに練習している曲だったので身を乗り出すようにして見学してしまいました。
Richie先生からの指摘は:pianoが細かい動きをするところは、クラリネットはゆったりとした長いフレーズを吹いているのだが、そこで前のめりになって急いでしまうとpianoのせっかくの動きが生きてこない。この部分は丁寧に、super legatoで音をつなげていく。そのためには、短い単位で(ほんの数音ごとに区切って)ゆっくりと練習をすること。音が滑らかにつながった時に自分がどんな動きをしていたかを観察すること。
演奏する時に無駄な動きはしない。expressiveにするために自然に生まれる動きは何度演奏しても同じ動きになるはずだが、緊張感などで生まれる動き、音楽に関係のない意図的な動きは演奏を(表現を)妨げるのでやめること。Ryanは息を入れる瞬間の肩が上がる動きを何度も直されていました。

4. "Lutoslawski: Dance Preludes"より (Cl. Jack)
これも練習している曲なので興味津々。Jackの演奏は綺麗にまとまりすぎ。この曲はポーランドの土着の民族音楽をモチーフにしている曲なので、綺麗に吹かずにもっと土臭く。

今日の4人の演奏を比べると、FatimaとAriannaの音はやっぱり重厚な感じでよかったです。
Jackはやっぱりちょっと音が薄い感じ。Richie先生が「綺麗にまとめすぎるな」と言ったのは、サラサラと流れていってしまって心にひっかかって来ない、物足りなさのようなものがあるからなのかもしれません。私の音もそういう傾向があるんですよね。意識して練習しようと思いました。
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7月7日:masterclass (その2、本当は4回目)

今日は2週間ぶりにclarinet masterclassの見学に行ってきました。

今日のプログラムは:
1. "Richard Strauss: Till Eulenspiegels lustige Streiche"五重奏版 (Cl. Arianna)
編成はバイオリン、コントラバス、クラリネット、バスーン、ホルンで、この編成のを聞いたのは初めてです。アンサンブル力がすごかったです。それぞれソロのフレーズがきっちり吹けているのは当たり前として、誰と一緒に入るのか誰に受け渡すのかそういうアンサンブルの要素を理解して視線や体の動きでしっかりコミュニケーションをとって演奏していました。素晴らしかったです!

2. "Brahms: Clarinet Sonata No.2"より第2楽章 (Cl. Fatima)
この楽章は基本的には3拍子で書かれているのですが、その中で小節線を越えて4分の2になるところがあります。その変化を意識すると、3拍子との密かな対比が生まれて音楽が深まる。去年も同じ曲の第1楽章の分析でRichie先生は同じような趣旨のことをおっしゃったのですが、今日は去年よりもはっきりBrahmsの意図と吹き方のコツがわかりました。
3週間前に行ったmaterclassはFatimaは病欠だったので、彼女の演奏を初めて聞きました。すごく深みのある音でした。

3. "Messiaen: Quatuor pour la Fin du Temps"より"Abyss of birds" (Cl. Ryan)
この曲がメインのセミプロ(?)元プロ(??)の演奏会を3月に聞きに行ったのですが、その時よりもずっといい演奏でした。いろいろな意味でコントロールが効いていて、すごいな…と思わせる演奏でした。
曲のタイトル通り、途中には鳥の鳴き声が出てくるのですが、Messiaenは実際に鳥の声を書き起こして譜面に書いたとか…。Richie先生は、ここには音楽を反映させずに「鳥の声」として淡々と演奏するようにとおっしゃっていました。聞こえてくる鳥の声で「自分は全く知らない土地にいるんだな」ということを感じる、そんな体験が表現されているんだということでした。ふ〜む。Messiaenは捕虜収容所でこの曲を書いたそうなので、そういうことなのかもしれません。

4. "Schumann: Fantasiestücke"より第2曲、第3曲 (Cl. Jack)
この曲は復帰2年目のグループ・リサイタルで演奏した曲なので、よく知っています。実はピアノが難しく、ピアノときっちり合わせるのも難しい曲です。Jackの演奏はちょっと雑な感じだったかなぁ。気になったのは線の細さ…。この曲はA管の曲ですが、FatimaのBrahmsのソナタのB♭管の音よりも音に深みがなかったです。Jackはこういう曲は得意じゃないのかなぁ…。

約2時間、なかなか楽しく勉強になるmasterclassでした。
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6月16日:masterclass (その1)

Music Academy of the Westの2017年のSummer Festivalが始まりました。
今日はクラリネットのmasterclassの初日です。
去年までは無料だったのに今年からは1回$10。私は5回券を買ったので1回$5の計算ですが、この辺りの地元の民は文化事業に対する理解(とお金)があるので、たいていの皆さんは$150で全てのmasterclassが見学できるパスをお持ちのようでした。
全てのmasterclass…って言っても、1回2時間ぐらいあるんだから、毎日毎日Academyのキャンパスでほぼ1日masterclassを見学して過ごす覚悟じゃないと元が取れませんって〜。(と考えるのは貧乏人で、お金持ちの皆さんは「元を取る」という発想がそもそもないのかもしれません)

さて、今年のクラリネットのfellowはこの4人。
172人の応募者からオーディションで選ばれた人々です。
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今日は、ソロのレパートリーを披露してくれました。
残念ながらスペインから参加のFatimaは今日は病欠でした。
Ariannaは私も最近せっせと練習しているBrahmsのソナタ2番の第1楽章を、RyanとJackはそれぞれWeberのConcerto 2番の第1楽章と第2楽章を演奏してくれました。

WeberのConcertoにはもともとあまり関心がないのと、二人の男子はどちらもとても上手だったので、「ふ〜ん」という感じで聞いていましたが、AriannaのBrahmsには「異議あり!」って感じ。ノーミスでソツなく吹いていたんですが、体の動きが変!!なぜスラーのついた柔らかい音で吹くところで体をグキグキってカクカクって動かすのか理解できませんでした。一体誰のマネ??
例えばMartin Frostが一緒に演奏している弦楽器にキューを出す時にそんな動きをするのは理解出来るんですが、この曲は違うと思うんだけど〜。

今回勉強になったのは…
Brahmsのソナタはピアノ伴奏じゃなくて、ピアノとのduoだから、同じ音楽観を持って演奏しなければいけない。クラリネットがピアノの第3の手であるような意識で演奏すること。
盛り上がっていくところ、スリルのある感じで盛り上げるんだったら最後の最後まで物語の結末を見せないこと。
Richie先生は「"Don't be a clarinet player!"これが今日のテーマだな。」とおっしゃっていました。自分のパートを吹くことに専念するんじゃなくて、音楽全体に関わりなさいという意味です。ピアノ伴奏専攻のfellowも同じ意味で鍛えられていました。

なるほどね〜。

一人お休みで時間が余ったので、こんなエピソードを聞かせてくれました。
10数年前、Richie先生は日本のヤマハ銀座店でモモのリガチャーを試奏して、いいなぁと思ったんだそうです。でも、「え〜、高いなぁ」と思って購入せず。でも、翌日一旦地方に移動してからどうしても欲しくなって東京に戻って買っちゃったんだとか。その日の本番で使ったら、舞台上では遠く離れているチェロの奏者に「何か仕掛けを変えたの?」と聞かれたそうです。それ以来モモの愛用者だと言っていました。へ〜。でも、私は違いがわからない女なので、試奏しませんよ〜、高いもん!

貧乏人は5回分しかチケットを買っていないので、次の2週間はmasterclassの見学はお休みです。
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8月5日:clarinet masterclass (その8 : 最終回)

masterclassは今日が最終回。
今日はミニ・コンサートの形式で4人のfellowの演奏をじっくり聞きました。
来年はどんなfellowが選抜されて来るんでしょうかね〜。
演奏する側も聞く側も、年齢に関係なく、そして人種や出身国に関係なく(今年のクラリネットfellowはたまたま全員アメリカ人でしたけど)、音楽を通じてつながることができます。
音楽は人類の共有財産なんだなぁと思いました。

Brahms : Sonata No. 2 Op.120 第1楽章 (Jack)
Bernstein : Sonata (Rebecca)
Schumann : Fatasiestuckes, Op. 73 (Paul)
Mozart : Quintet in A Major, K.581 第2楽章、第4楽章 (Sam)

Rebeccaが演奏したソナタがなかなかいい感じでした。
でも、心にストンと落ちてくるのはBrahms、Schumann、Mozart。
演奏していても感情移入しやすく、表現もしやすいです。
(演奏が易しいと言っているわけではなくて、自然に入っていける曲という点で…)
私にはこういう作曲家の曲の方が絶対合っているんですが、そこから遠く離れたことをし過ぎていて、それでちょっとスランプ気味なのかもね〜。気持ちが入っていかないもどかしさっていうんでしょうか。自分の中でこの辺りについて解決をしないと、今後のECMでの活動は厳しいかなぁと感じています。

最後のコンサートのチケットは買っていないので、私の今年のMusic Academy of the Westのシーズンは今日でおしまい。
毎週とても楽しく、とても勉強になりました。
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7月29日:clarinet masterclass (その7)

今日のmasterclassは最前列のほぼ中央のいい席を確保しました。

演奏された曲は:
Messager: Solo de Concours (Sam)
Schumann: Fatasiestuckes, Op. 73 (Paul)
Brahms: Sonata in f Minor, Op. 120, No.1 (Rebecca)
Debussy: Premiere Rhapsodie (Jack)

全曲練習したことがある曲なので、とても勉強になりました。

Messagerの曲はメトロノームを使って、それをピアノと合わせるためにテンポを一定にキープする目安としてだけ使い、小節の中ではテンポをゆらして色をつけるという吹き方をRichie先生が見本を示しました。一定のテンポで連符を吹くことだけに囚われないようにという指示でした。メトロノームに合わせれば目標が設定できて練習が楽になるが、演奏は機械的にするものじゃない…う〜ん、確かにそうです。

Schumannのこの曲は「クララに夢中で精神的に不安定なシューマンの心情を反映させるように。Paulはそういう経験を積みなさい」…全員爆笑。

Brahmsは彼が必要だと思う指示は全て楽譜に書かれているので、書かれていないことをしないように。

Premiere Rhapsodieの途中の速くて込み入ったパッセージは、書かれているアーティキュレーションが不明瞭になるぐらいならテンポを落として聞いている人にもアーティキュレーションがわかるようにきっちり吹くように。最後の上昇スケールは入りをしっかりゆっくり慣らしてから吹ききること。

それから、きちんとした出版社が出している、原本通りの楽譜を手に入れなさいと言っていましたね。
私が持っているSchumannは先生がオススメのバージョンなのですが、Paulが使っていたコピーには余計なことが書かれているらしいです。これから楽譜を買う時は事前にどの出版社のがちゃんとしているのか調べないとね。

MessagerとDebussyは挫折してしまった曲ですが、いつかもう一度練習したいです。
特にDebussyは何度聞いても美しい…来年の夏はこれを頑張ってみようかな。
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7月22日:clarinet masterclass (その6)

今日のmasterclassは必要最小限の弦楽器、管楽器でオケを組んで、クラリネットのオーディションで使われる曲を演奏していくという趣向でした。
そのセッティングとlive streamingのセッティングに時間がかかり、せっかく早めに到着したのに会場に入れてもらえないというオマケ付き。でも、今日は早く家を出たので、クラリネットのfellowが一列目に座っているすぐ後ろの席をゲットしました。
前の席に座っていたSamが演奏している曲の楽譜を無造作に床に置いたので、私の席からはそれがよく見えて、楽譜を見ながら聞くことができてラッキーでした。

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私は今後オケで演奏することはまずないと思いますが、Richie先生のポイントは、
1. その曲を100年前から演奏しているかのように吹きこなすこと
2. 自分のパートだけを上手に吹けばいいってもんじゃない。たとえそこに他のパートの奏者がいない状況でも、どのパートとどう絡んでいるかを理解して吹くように
3. オーディションの時には守りに入らずに、ちょっとcrazyだと思われても個性を出すこと。「へ〜、こんなことしちゃうんだ…」と思われた方がもう一度聞きたいと思われてファイナリストに残りやすい。(これは指定されていることが全てできているという前提。sloppyな吹き方でいいということではない)

自分のクラリネットの勉強のためというよりも、普通のコンサート感覚で楽しめました。
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7月15日:clarinet masterclass (その5)

今日のmasterclassは室内楽。

Poulenc : Sextet (Sam)
Brahms : Sonata No.2 (Paul)
Ned Rorem : Ariel (Rebecca)
Villa-Lobos : Trio (Jack)

Poulencの六重奏はいつか演奏してみたい大好きな曲なのでとても楽しめました。

Brahmsのソナタの第2楽章、Brahmsなので表向きの変拍子はないのですが、きちんと分析すると小節線を超えてフレーズが続いていく変拍子が隠されているので、そのフレーズ感を大事にすること。ただただ長く滑らかにフレーズをつなげればいいってものではなく、作曲家がなぜそう書いたのかを尊重すること。これは先週Richie先生が言った「楽譜に書いてあることはレシピにすぎない」という指摘とは相反するようですが、でも指摘をされた後のPaulの演奏はきちんと輪郭があって見違えるようでした。言われたPaulはきっと半信半疑だと思いますが、側で聞いている人にははっきりとわかる違いでしたよ。Brahmsのソナタ、私はNo.1しか練習したことがありませんが、Richie先生が指摘したような小節線と関係のないフレーズが確かにあって、「なんかすっきりいかないのよね」と感じていたのですが、もしかしたらそれは「隠されている変拍子的なフレーズの流れ」に私が気付いていないからかもしれません。これは要研究だわね〜。

Ned Roremの曲はピアノとクラリネットが歌の伴奏をするような曲で、とても前衛的でした。詩の内容も自己と向き合ったり自己否定したりするような、ちょっと思い感じのもののようです。今日演奏を聞いたのはThe Hanging Manというピース(リンクはYouTubeで見つけた演奏で、今日聞いたものではありませんが…)。これを聞くまでRebeccaがこんなに吹ける人だとは思っていませんでした。割と古典的な曲を淡々と演奏する、「そこそこ上手な人」だと思っていたのです。今日の演奏の表現力はすごかった…。(参考のリンクを入れたYouTubeの演奏よりもずっと素晴らしかったです)

Villa-Lobosはブラジルの作曲家。ブラジルの自然をモチーフにした作品を残しているそうです。今日聞いた曲はそれほど好きなタイプではありませんでしたが、他の曲も聞いてみたら面白いものがありそうな感じでした。

いや〜、面白かったです。
来週はオーケストラの曲からの抜粋を、小編成のオケを組んで演奏してくれるそうです。
楽しみ〜。
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7月8日:clarinet masterclass (その4)

今日はピアノ伴奏があるレパートリー。

LUTOSLAWSKI : Dance Preludeの3〜5番 (Sam)
4番の同じ音は一つ一つに違う意味があるように。ただ吹いたんじゃ「Lutoslawskiってつまんないね」という印象になる。5番は最初は軽く、でもフェルマータの後の部分は重くして、色付けをする。

POULENC : Sonataの最終曲 (Jack)
まさにJackが演奏を始めようとした瞬間にRichie先生が大きい物音を立てて、Jackは最初の音でリードミスしちゃったんですよね。アメリカ人ってリードミスはあまり気にしないのかと思いましたが、プロを目指している人は違う。「最初の音でリードミスするなんてありえない」と厳しい注意がありました。
「充分前に息を吸って、ピアノへのcueもちょっと早めに出すように」と指摘がありました。Richie先生ほどの奏者でも、難しいところを吹く時には「自分の姿勢がどうあるべきか、うまくいった時の姿勢を意識する」と言っていました。楽譜にも「かかと」とか「首」とか姿勢についての注意が書いてあるそうです。練習の時から部屋の中を動き回って、自分の体を自由に動かすことを意識するといいと言っていました。
Poulencを吹く時にはスタカートや装飾音をきれいにまとめようとしないで、もっとエンターテインするように吹くこと。その後に「美しい音を聞かせる部分」は必ずあるから、全部をきれいに吹かない。最後の最後に下に降りて終わる音、これを大事にする。

BRAHMS : Sonata No.2の第1楽章(Paul)
「ピアノとの絡みをもっと楽しみなさい。ピアノのベースの音のどこにクラリネットが乗っているのか。ピアノと一緒にフレーズを終わるところ、ピアノをもっと聞いて。」

WEBER : Grand Duo Concertanteの第3楽章(Rebecca)
Weberの曲は最後はcrazyに攻めること。

楽譜に書いてあることはレシピなんだけれど、自分なりの隠し味を効かせたり、例えばその日の天気に応じてちょっと塩加減を変えたりしないと美味しい料理にはならない。楽譜通りに忠実に吹くんじゃなくて、自分がどう聞かせたいか考えて吹くこと。
最後の最後がたとえ今ひとつキマらなくても、自分なりのキメのポーズを考えること。指揮者は最後の小節をどう振って終わるか、鏡の前であ〜でもないこ〜でもないと練習するんだから、それと同じこと。

4曲中3曲は自分でも吹いたことのある曲なので、先生の指摘は本当に勉強になりました。
もちろん私の演奏なんかまだまだですが、2年前の夏に初めてmasterclassの見学をした時にはまだ復帰後1年で「へ〜、こんな曲があるんだ」という状態だったことを考えると、その後の2年間で「思えば遠くに来たもんだ」という感があります。
あと5年今のペースで頑張れば、もっと楽に自分が表現したいように吹ける気がします。
おばちゃん、頑張る!
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