夏休みを振り返って…

6月に始まった約3カ月半の夏休み、今年の夏はクラリネットを中心に過ぎて行きました。

6月下旬から3週間、2年ぶりに一時帰国したのですが、そこでクラリネット教室の勉強会に参加する機会がありました。
Chyrzynskiの『Quasi Kwazi』と勉強会の10日前ぐらいに急遽決めたSchumannの『Three Romances』の2曲を演奏させていただきました。ミスったところもありますが、自分の意図を反映させた演奏ができたと思います。
人前で演奏するのは毎回緊張しますが、それでも楽しいです。音楽は楽譜に書いてある状態ではまさに平面的なものですが、自分が演奏することでそれが具現化するというか…。自分が演奏することで、作曲家が頭の中に描いていた世界を聞いている人に見せてあげられるわけなので、作曲家の創作活動の最終段階をお手伝いするという、大きい喜びがあります。
ECMの先生がずいぶん前におっしゃっていたことに結局は戻っていくわけですが、「世の中にはこんな素晴らしい音楽がありますよ」と普及活動をするのが演奏者の役割なのだと思います。

日本から戻ってからはフランスの作曲家の作品を次々に練習しました。
Saint-Saënsのソナタ(の復習)、Françaixの『Tema con variazioni』、Messiaenの『Quatuor pour la fin du temps』(特に『Abîme des oiseaux』)、どれも曲風が全く異なる作品で、私にとっては難しいポイントが満載ですが、練習している時はとても楽しかったです。難しくて、全く歯が立たなくて苦悩している時間もありましたが、それを遥かに凌ぐ充実感がありました。その充実感だけを支えに、「今日はここまで。明日は1mmでもいいから上に行こう」と自分を励まして、毎日一歩ずつ先に進む練習は楽しくて、楽しくて…。だから、ほぼ毎日自然に練習に向かっていました。その後、BernsteinとBergが追加されてinternationalな状態ですが、これらの曲をいつか人前で演奏できる日が来ますように…。

flutter tonguingも0から10までのスケールで測ると、一昨年の夏は0、去年の夏は3ぐらいだったのが、今年は7ぐらいまで進歩しました。「もともと巻き舌もできないのに、楽器を吹きながらなんて無理」と思っていましたが、巻き舌を使わないflutterをしていることもあって「大丈夫、だんだんコントロールできるようになってる。もう少しだ!」とpositiveに考えられるようになりました。一番険しい峠を越えたってとこですかね?
高校時代はタンギングだってイマイチだったし楽器が全然鳴らせていなかったことを考えたら、大学時代のレッスンでかなり上達したし、25年以上のブランクからの復帰後は若い頃に運指すら知らなかった高音域の音も吹けるようになったし…"This old cat has learned new tricks little by little."です。

クラリネットは楽しいです。難しいけど楽しい。難しいから楽しい。
仕事が忙しくなったら夏休みのようには練習できなくなりますが、できるだけ頑張って行こうと思います。

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最近のリードの品質…?

「最近の」というよりも、そのお店がリードを仕入れた時期、ひいてはリードが製造された時期によるんだと思いますが、8月中旬に買ったV21は信じられないぐらい質が悪かったです。
V21はunfiledで形状が56 Rue Lepicに似ているはずのリードなんですが、unfiledのU字っぽい曲線になっているはずの下部の形状が無茶苦茶…。きれいな曲線になっていたものは10枚中1枚しかなく、それ以外のほとんどのリードでは、上部の削られている部分の下のラインがほぼ一直線だったり、凸凹のW形だったり…「これってunfiledなの?これって正規品なの??もしやパッチもん??」と製造工程や検品過程、ひいては出自まで疑いたくなるようなリードばかりでした。(それがきっかけでリード調整に精を出すようになったわけです)

このリード、いつもと同じNY州にあるお店からオンラインで購入したのですが、先週は別のお店からも購入してみました。比べてみたら、新しく購入した箱の中身は少しはマシでした。でも全体的に、又しても何かイマイチだなぁ…って感じ。

56 Rue Lepicの方が少なくとも見た目が整ったリードが多いような気がします。
V21の人気が出てきて大量に生産するために雑になっているのかな?…とか疑ったりして。

リードの材料となるケーンの育ち具合にもよるでしょうし、それを乾燥させる時期の天候など、いろいろな要因があるんでしょうけれど、結構なお値段なんだからちゃんとした物を作って出荷して欲しいなぁ。
ご丁寧に個別包装してゴミを増やすよりも、リード自体がちゃんとしている方が消費者はによっぽどありがたいんだけれど…。
そういうことをVandorenの会社の人は考えていないのかなぁ…って思います。
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『Super Folk Song ピアノが愛した女。』

夕食の後、皿洗いをしながら『Super Folk Song ピアノが愛した女。』を見ていました。
で、そのまま最後まで見ることにしちゃったので、夜の部の練習はお休み…。
akikoyano.jpg


何度見ても、心に響く…。

なかなか思い通りに演奏ができない時にあっこちゃんが「できるっていう確信はあるの。技術がないだけ…」と冗談っぽく言ったりする場面も好きですが、アメリカでのあっこちゃんのマネージメントがレコーディングの過程を聞いて、「失敗しちゃった」というあっこちゃんに「間違ったところに気を取られて、どんなに素晴らしい演奏だったかが聞こえていないんだよ」「音楽家であると同時に評論家にはなれないよ」と忠告する場面も好きです。

作曲をしピアノ伴奏の編曲もし、ピアノを弾きながら歌う大好きなあっこちゃんと自分のようなド素人を同じ土俵で語るのはおこがましいですが、「できるのに、できない」という苦悩、わかります。毎日の練習はそれとの戦いです。完璧な演奏って何なのか、自分が満足できる演奏にどうしたら、いつになったら辿り着けるのか…そもそもそんなところに辿り着けるのか…。

それでもやっぱりクラリネットを続けていきたいなぁ…と思います。
クラリネットに愛されていませんが、クラリネットを愛しちゃってる女ですから…。

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YouTubeでおよよ〜

Alban Bergの『4 Stücke, Op.5 (4 Pieces for clarinet and piano)』、いくつかの音源を聴き比べてみました。
私がずっと聞いて来たのは『Alban Berg Collection』というCDに収録されているSabine Meyerが演奏しているもの。私が一番好きなクラリネット奏者の演奏です。…が、テンポの変化などかなり独自な解釈というか、楽譜の指示通りではないなぁ…と感じるところがあって(もちろんすごくカッコよくて、私はその解釈が好きなんですが)、もっと「記譜通りに演奏している音源」をYouTubeで探していたんです。

いろいろ聴き比べると、まあ皆さん個性的っていうか結構適当っていうか…。違う曲を聞いているみたい…。
午前中は、その中でも「まあ、いいかな」って思ったのをダウンロードして、音声部分だけ取り出して、CDに焼くという作業をしました。ホームページも持っている、そこそこ演奏活動しているクラリネット奏者なのかなぁっていう人の音源。
早速、車の中で音量を上げて聞いてみたら第1曲の静かに終息していく部分のスタッカートが「ペッ、ペッ、ペッ、ペッ…」って、おいおい。「こんな風にタンギングしたくないよね」っていう演奏でした。

やっぱりタダの音源には限りがあるのよ…と諦めて、結局iTunesで違う奏者の演奏を2つ購入しました。
私も自分の拙い演奏をYouTubeで公開していますが、アマチュアが自分の記録として残しているだけなので、どんな演奏でも許されるだろうと思っています。でも、YouTube上の音源が仕事に結びつく(結びつかない)可能性があるセミ・プロ、プロの奏者はもっとちゃんとした音源を載せようよ〜!

どっちにしてもCDを焼きなおさなければいけないので、スタッカートが「ペッ、ペッ、ペッ」な人の音源はさっくり削除しました。タダほど怖いものはない…YouTubeもそうかもね。
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ミニチュア・スコア、買っちゃった〜

score.jpg現在練習しているMessiaenの『Quatuor pour la fin du temps』、他のパートは一体何をしているのか、クラリネットはどう絡んでいくのかがわかりにくい曲が多いのです。
現代音楽をやっていると、こういうことがスッキリわかるってことはまずないんですが(特に私は…)、わからない時にいちいちピアノ譜(=スコア)を見るのが大変なので、ミニチュア・スコアを買っちゃいました。

Amazonで$16ぐらい…他のものと一緒に買ったので送料は無料でした。

ECMでこの曲が演奏できるといいんだけどなぁ。
でも、一生人前で演奏する機会がなかったとしても、心惹かれてやまないこの曲を自分で奏でられるというのは幸せです。

あ〜、ケチらないで学校用とお家用と2冊買えばよかった…。
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夏休み、残り1カ月!

夏休みも残り1カ月になりました。
3カ月以上ある夏休みの3分の2が終わってしまったわけね〜。
最初の1カ月は日本への一時帰国と勉強会、次の1カ月はFrançaixの『Tema con variazioni』とflutter tonguingの練習…と来ましたが、最後の1カ月は何をしようかな?

1. 今年こそは習得したいflutter tonguing、これはもうちょっと継続して頑張ろうと思います。2016年の夏に練習を始め、基本的に時間がある夏しか練習できない状態だったので、かれこれ二夏もの間、誤解と挫折と試行錯誤を繰り返し、この夏が一番それらしくできているのです。ようやくここまで来たんだからこの夏こそは完成させたい!

2. 今練習しているMessiaenの『Abîme des oiseaux』と、この曲を含む『Quatuor pour la fin du temps』の練習。これも継続。もしチャンスがあったらECMで演奏させてほしい。でも、「演奏したいです」と先生に言い出す前に、自分のパートが出来るという確信を持っておかないと…。

3. Brahmsの五重奏曲。A管の暗く落ち着いた音色を追究するためにはFrançaixよりもBrahmsの方がふさわしいよね。Françaix、明るすぎだから…。ということで、A管の練習のためにこの曲を練習します。ある意味一石二鳥?

4. Bernsteinのソナタ。これは以前練習した時にかなりいい線まで行っていたので、1週間ぐらい復習して形にしたいです。


こんな感じかな…。

時間をもっと効率的に使って、残り1カ月、楽しく練習しようと思います。

あとは新年度の準備と予防接種と医者通い…。
検査や通院は主に夏にしているので、9月は毎週何かの予約が入っています。
あ〜、仕事もしなきゃね〜。はいはい。心機一転、社会復帰するぞ〜。
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オーストリア旅行の思い出

昨日は咳が出て調子が悪かったので練習をお休みして、家事をしたりブログのテンプレートをいじったりしておりました。テンプレートをゼロから作る技量はないので共有テンプレートの写真やフォントの種類、色などを変えて少しだけカスタマイズ。写真はウィーンで撮った市電の写真です。普通は赤い車両が走っていますが、たまたま来た黄色い車両の写真があったのでそれを使ってみました。

また行きたいです、ウィーン。まだクラリネットを再開する前のことですが、ザルツブルク音楽祭とセットで合計10日ぐらいオーストリア旅行をしたのですが、すご〜く楽しかったです。(その時の食い倒れ旅行記はこちら長々と旅の出来事を綴っております。)その時ザルツブルク音楽祭で聞いた、涙が出ちゃう現代曲も今では懐かしい思い出です。同じく音楽祭で聞いたAlban Bergも含めて、現代曲はそんなに好きではなかったし、聞いたこともなかったというのに、今、自分が現代音楽のアンサンブルに入り、それなりに現代曲が好きで演奏しているっていうのが信じられない…。一体どうしてこんな世界に迷い込んでしまったのか…。運命のいたずらってヤツですかね。
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自分の中にある迷い

バイオリン奏者の方のブログ、今日の記事のタイトルは『下手でもいいじゃん』。

   下手なことはみっともないのか?
   下手なことは恥ずかしいのか?
   下手さをひとまえで見せてはいけないのか?

   音楽演奏を楽しむ権利は、プロや上手いひとたちだけものではないと思う。
   悪声のひとや音痴のひとも、歌を楽しむように、
   楽器の技倆が未熟なひとも、合奏を楽しんでいいし、
   そのようすをひとに見せたっていいと思う。


私も同感です。
だから人前で演奏する機会をできるだけ作っています。
でも、「下手な自分を人前で晒すこと」に対する「ためらい」も、実は人一倍強いのです。
   人前で演奏するからには上手に演奏したい。
   失敗したくない。
   「上手だった」って言われたい、思われたい…

幾つになってもそんな思いに囚われています。
人生の折り返しを過ぎているのに、内面はなかなか成長いたしません。
いつも色々な迷いを抱えて練習しています。
人前で演奏する時には一瞬でもいいからそんな迷いを吹っ切りたいと思って、日々の練習に精を出しています。
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息や音量じゃないんだね。

先月から取り組んでいるFrançaixの『Tema con variazioni』、練習の行き帰りの車の中でも聞いています。

昨日ふと気がついたこと…pは息の量を減らすってことじゃないし、おそらく音量自体を落とすってことじゃないんだね。

変奏の3番に同じ音形のフレーズがfとpで続けて出て来て、私は当然のようにfは息をたくさん入れて大きい音で、pは息の量を減らして小さい音で吹いていました。でも、音源を聞いていてfとpの音量の違いって実際にはそんなに大きくはないんじゃないかなぁと思ったのです。それなのにfとpの対比ははっきりわかる…どちらのフレーズもしっかり吹いているのにこの対比はどこから来るんだろう?

もしかして音色?

fにはfの、pにはpの音色があるんだよ〜。(←今ごろになって…)
以前masterclassを見学した時に、広い部屋の隅々まで「音(息)」が行き渡っていく、包まれてしまうようなppの音を聞いたことがあるのですが、それは息を絞って音量を小さくしているpの音じゃなくて、息は十分に使いながらもpにふさわしい音色で吹いていたんだなぁと、そのmasterclassから3年経ってようやく理解できました。

どうしたらあの「圧倒的なpp」を出せるのかなぁと長い間考えていましたが、そういうことなんだよ〜。

おそらくテンポもそう。あからさまにテンポを速くしなくても、前に前に進んで行く勢いのあるフレーズの吹き方というのがあって、それがテンポを感じさせるんじゃないんだろうか〜。(←今更… )

練習の時に、もっと自分の音色やフレーズの取り方に耳を傾けてみようと思ったのでした。
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治ったと思ったのですが…

ECMの先生の言いつけ通りに珍しく週末の練習を両方お休みし、今日は咳もだいぶ治ったし復帰できそう…と思っていたんです、お昼頃までは。
お昼にバナナを一口食べて牛乳を飲んだタイミングで咳が出て盛大にむせて、苦しくて息ができない状態に…。
キッチンのシンクにバナナを吐き出しながら(すみません、きちゃなくて…)、「バナナを喉に詰まらせて生涯を終えるってあんまりだ」と真っ暗な気持ちになりました。
その後、しばらく横になったらゼーゼー音を立てていた呼吸が治ったのですが、せっかく治っていた咳が復活…。結局三日連続練習を休んでいます。旅行中ならいざ知らず、普段こんなことは滅多にありません。

練習に行かないと時間を持て余すもんで、Olivier Messiaenが作曲した『Quatuor pour la fin du temps(Quartet for the End of Time、世の終わりのための四重奏曲)』を聞いていました。この曲は、8つの曲からなる組曲ですが、3曲目は『Abîme des oiseaux(鳥たちの深淵)』というタイトルのクラリネット独奏曲です。2016年の秋に初めて無伴奏曲に取り組んだ時にECMの先生に教えていただいた曲で、その後わざわざ1時間も運転して生の演奏を聞きに行ったこともあります。ドイツの収容所の中で作曲され初演されたこの曲、悲壮感や希望が感じられる美しい曲です。

で、やめておけばいいのに、楽譜を借りちゃった〜。
現在、勤務先の大学では音楽科の図書館の改装工事中で貸出業務をしていないため、大学の蔵書にあるのはわかっていたんですが、よその大学から借りられるサービスを利用。
3曲目についてはYouTubeのスクリーンショットをつなぎ合わせた手作りの(?)楽譜もあるのですが、ちゃんとした楽譜が見たい(そしてできるなら演奏してみたい)のでリクエストを出してしまいました。いつかチャンスがあったら演奏したい曲ですが、一生チャンスはないかも〜。でも、あるかもしれないもんね。その時のために練習してみようっと。
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